社内キャリア相談室と
外部EAPは、何が違うのか。
どちらが優れているかではなく、"役割が違う"——。提供主体・目的・守秘・組織への還元・内製化の観点で違いを整理し、自社に合う選び方と使い分けを、国家資格者の視点で解説します。

整理して比較
メンタル対策に着手*
外部EAPとは、どんな仕組みか
EAP(Employee Assistance Program/従業員支援プログラム)とは、従業員のメンタル不調や私生活上の問題に対し、相談・カウンセリングを提供する仕組みです。もともとは米国でアルコール依存などを抱える従業員を支援する制度として広まり、現在は心の健康問題全般を扱います。日本では外部の専門事業者に委託し、電話やオンラインの相談窓口として運用される「外部EAP」が一般的です。高い匿名性のもとで、不調が起きたときの相談・危機対応を担う点に強みがあります。一方、相談は個別対応が中心で、組織の人事施策へのフィードバックは限定的になりやすい傾向があります。
社内キャリア相談室とは、何をする場所か
社内キャリア相談室とは、従業員が離職・メンタル不調・キャリアの方向性といった悩みを、国家資格をもつ専門家に相談できる企業内の専門窓口です。不調時の対応だけでなく、前向きにキャリアを考えたい人も含めて使える点が特徴で、メンタルとキャリアの両面を扱います。株式会社キャリアバランスは、制度設計から外部カウンセラーの派遣、社内カウンセラーの育成・スーパーバイズ、個人が特定されない傾向分析レポートまでを一貫して支援します。相談内容は人事評価から切り離す「守秘設計」を標準とし、面談で得た職場の傾向を人事施策への提言として組織に還元できる点が、外部委託型のEAPとの大きな違いです。
参考:厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」では、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.2%(労働者50人以上の事業所では94.3%)。また令和5年調査では、メンタル不調により連続1か月以上休業した労働者がいた事業所は10.4%でした。出典:厚生労働省
外部EAPと社内キャリア相談室の違い
EAPは事業者により内容が異なるため、ここでは一般的な傾向として整理します。優劣ではなく役割の違いとしてご覧ください。
| 観点 | 外部EAP(一般的な傾向) | 社内キャリア相談室(CB型) |
|---|---|---|
| 提供主体 | 外部の専門事業者に委託 | 社内に設計・運用(外部カウンセラー派遣+社内育成) |
| 主な目的 | メンタル不調の相談・危機対応 | キャリア開発とメンタルの両面・予防まで |
| 入口の間口 | 不調時の駆け込みが中心 | 前向きなキャリア相談も含め全員が対象 |
| 守秘 | 外部完結で高い匿名性 | 人事評価から分離する守秘設計+本人合意の範囲で共有 |
| 組織への還元 | 個別対応中心で限定的になりやすい | 個人が特定されない傾向分析を人事施策へ提言 |
| 内製化 | 基本は外部委託のまま | 社内カウンセラー育成で内製化も支援 |
| 適する場面 | 全国拠点に一律の24時間窓口を素早く整えたい | キャリア形成・定着・組織開発まで踏み込みたい |
※ EAPの提供形態・サービス範囲は事業者により大きく異なります。上表は両モデルの一般的な性格づけであり、特定サービスの評価ではありません。
自社に合うのはどちらか
まず外部EAPが向くケース
全国に拠点が分散し、まずは一律の相談窓口を素早く立ち上げたい。匿名のホットラインで不調時のセーフティネットを確保することが最優先、という段階。
社内キャリア相談室が向くケース
離職・定着やキャリア形成にまで踏み込みたい。面談で見えた傾向を人事施策へ活かし、評価から切り離した守秘のもとで"前向きな相談"も増やしたい段階。
併用・移行という選択
外部EAPで危機対応を担保しつつ、キャリア相談室で予防と組織開発を進める併用も有効です。EAPからの移行・組み合わせのご相談も承ります。
よくあるご質問
EAP(従業員支援プログラム)とは何ですか?
社内キャリア相談室と外部EAPはどちらを選ぶべきですか?
社内キャリア相談室でも守秘は保たれますか?
中小規模の企業でも導入できますか?
外部EAPとの違い・使い分けも、まずはご相談ください。
現状の体制(外部EAPの有無)と課題をうかがい、御社に合った相談の仕組みをご提案します。併用・移行のご相談、メディア取材依頼もこちらから。
